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【第81回/開頭手術】

先月、頭を開ける手術をしました。
人生、思ってもみなかったことが次々と起こるものですね。
執刀してくださった先生方始め、沢山の看護師の皆様、本当にお世話になりました。
そして有難うございました。

後頭部右側に穴を開け、そこの聴神経に出来た腫瘍を除去しました。
手術の三日前、手術内容と共に万一のことについて、先生から丁寧な説明がありました。
「今からでも辞めることは出来ますので…」
いやいや、それはありマセン。
この時期、この先生に切ってもらうために、半年以上も前からスケジュールを作ってきたのですから。

聴力が戻らないのは残念ですが、医学的に放っておけない理由はむしろ別。
聴力の次にやられるのは表情筋。
これに支障が出ると、顔はだらりとくずれたままになります。
そしてもっと腫瘍が大きくなれば、脳本体にまで影響が出ます。
音楽は勿論、社会生活自体が営めません。
そして、質の悪いことに「命には別条がない」。
つまり、どんなことになっても「そのまま生きる」。

手術から1か月半。
現代医学の力は本当に凄いですね。
もう、一人で外出しています。

言うならば、これから先の人生は「儲けた期間」。
神様が「こちら側にはまだ来るな」と言うことなのですから、お呼びが掛かるまで、音楽にも生活にも一層全力で取り組むしかありません。

→2017/05/18 杜哲也


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